起訴猶予(きそゆうよ)

検察官は、捜査を終了した段階で、その事件の処理をすることになります。
この事件処理の種類には、いくつかありますが、大きく分けると(1)起訴処分と(2)不起訴処分に分かれます(なお、被疑者が少年の場合は、犯罪の嫌疑があるとされれば、全ての事件が家庭裁判所に送致されます)。
まず、起訴処分ですが、さらに細かく分けると、そこにはⅰ公判請求とⅱ略式命令請求があります。前者が通常の裁判にかけられる処分です。
次に、不起訴処分の方も、そこにはⅰ(狭義の)不起訴処分とⅱ起訴猶予処分があります。
前者は、そもそも起訴できない場合で、捜査をした結果、犯罪の嫌疑が無い場合(判示あの嫌疑が不十分の場合も含みます)などがこれに当たります。
これに対して後者は、犯罪の嫌疑があるため、起訴をすることも可能であるが、起訴する必要まではないと判断された場合になされる処分です。
いずれの場合であっても、不起訴処分がなされれば、身体拘束を受けていた被疑者は釈放されます。
これとは別に、つまり事件の処理がなされる前に、身体拘束を受けていた被疑者が釈放されることがあります。ニュースなどでも「●●容疑者が本日処分保留で釈放された」というような言葉を耳にしたことがあるかも知れませんが、これが処分保留による釈放と言われるものです。この場合、事件の処理,つまり最終的な起訴・不起訴の判断は未了ですので、後日、起訴処分とされる可能性もありますが、実際には不起訴処分となるケースが多いと思われます。

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